VPX製品に関連する技術情報を解説します。
VPXとは
VPXは、旧来のVMEバスシステムに高速のシリアルスイッチファブリックをサポートした堅牢な耐環境のバス規格です。VITAにより規格化(ANSI/VITA 46)されており、フォームファクタは従来のVMEの6Uと3Uユーロカードタイプで、PMC/XMCメザニンカードを搭載することができます。バックプレーンと嵌合するコネクタは従来のピン接続は廃止され高速のマルチギガコネクタを採用し堅牢で信頼性を高めたものになっています。
OpenVPXとは
OpenVPXは、VPX規格(ANSI/VITA 46)の相互運用性を考慮したシステムレベルの規格です。ANSI/VITA 65で規格化されており、バックプレーンとモジュール間、モジュールとシャーシ間、シャーシとバックプレーン間のインタフェースが厳密に規定されています。これにより相互運用性を高め、異なるCOTSベンダ間のシステム構築を可能にします。バックプレーンプロファイル、スロットプロファイル、モジュールプロファイル、シャーシプロファイルの4つのプロファイルが厳密に定義されているため異なるベンダ間でシステムを構成する場合は注意が必要です。
SOSAとは
SOSAとは、Sensor Open System Architectureの略で、米国の空軍、海軍、陸軍、国防総省(DoD)、政府研究機関等の技術開発(統合)に於いて、C4ISR (Command, Control, Communication, Computer, Intellogence, Surveillance, Reconnaissance)サブシステム及びプラットフォームの価格、再構成可能性、パフォーマンス、およびハードウェア/ソフトウェア/ファームウェアの再利用を可能にするための技術的かつ経済的なスタンダードです。VPXのフォームファクタにより構成され、複数の異なるベンダー/機能間の相互運用性を高めハードウェア/ソフトウェアの共通アーキテクチャフレームワークを提供します。
VITA 66とは
VITA 66は、光ファイバ相互接続をVPXバックプレーン上で利用できるようにするための規格です。コネクタは、VITA 66.1(MT)、VITA 66.2(ARINC 801)、VITA 66.3(Expanded Beam)、VITA 66.4(Half Width MT)が定義されています。
VITA 67とは
VITA 67は、同軸RF/アナログ信号接続をVPXバックプレーン上で利用できるようにするための規格です。コネクタは、VPXのP2からP6の位置にある差動デジタルコネクタの代わりに高周波同軸コネクタを使用します。コネクタ数は、VITA 67.1(4ポート)、VITA 67.2(8ポート)、VITA 67.3(10ポート、14ポート)等があります。
VRTとは
VRTとは、VITA Radio Transportの略でANSI/VITA 49として規格化されているRF受信機と信号処理装置間の相互運用性を高めるためのトランスポートプロトコルです。一般的にRF受信機と信号処理装置間のインタフェースはメーカーごとに独自であり、通常は公開されていないため異なるメーカー機器間のデータやり取りは不可能でした。VRTは信号データパケット(リアル/複素、固定/浮動小数点等)、及びコンテキストパケット(周波数、強度、タイミング、地理的位置等)を共通化することでソフトウェア無線アプリケーション間の相互運用性を改善します。
MIL-STD-810とは
MIL-STD-810とは、米国国防総省が定めた温度・湿度・高度・振動・衝撃など過酷な環境条件の為の軍用装備品の試験規格です。戦闘機、輸送機、ヘリコプタ、艦船、潜水艦、戦車、車両など非常に過酷な環境での利用を要求されるため、その試験も厳しい条件下での耐久性を求められます。MIL-STD-810Gでは、29種類の試験方法(Method)を定義しており、各Methodにはそれぞれ動作時・非動作時の手順(Procedure)が定義されています。この試験規格は設計や試験レベルの仕様を定義するものではありません。