当社で取り扱っている各種ボード製品に関連する技術情報ライブラリです。
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A/D・D/A
A/D・D/A関連用語について解説
ADコンバータ
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▮ アナログ信号をデジタル信号に変換するための半導体デバイス(回路)
▮ 製造メーカーは、Analog Devces, Texas Instruments などが有名
▮ 変換方式はフラッシュ型(並列比較型)やパイプライン型(逐次比較型)などがある
▮ 高速なA/Dコンバータはほとんどがパイプライン型を採用している
▮ ΔΣ型は速度は遅いが高分解能が実現できる
DAコンバータ
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▮ デジタル信号をアナログ信号に変換するための半導体デバイス(回路)
▮ 製造メーカーは、Analog Devices, Texas Instrumentsなどが有名
▮ 変換方式として、一般的なのは電流出力型で最も高速動作が可能
▮ ADコンバータと同様に、最も高分解能を実現できるのはΔΣ型である
サンプリングレート
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▮ アナログ信号を1秒間に標本化(量子化とも言う)する処理回数のこと
▮ ナイキストの定理(標本化定理)から、サンプリングレートをfsとするとfs/2までの入力信号を標本化できる
▮ サンプリングレートが高いほどより細かい信号を再現することができる
▮ 例えばサンプリングレートが100MHzの場合は、1秒間に1億回の変換を実行する
▮ 1回の変換にかかる時間をセトリングタイムとして表記する場合もある
分解能
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▮ アナログ信号を量子化するときの電圧レベルをデジタル化するための分解能力
▮ 単位はビット(bit)で表現し、8bit, 10bit, 12bit, 14bit, 16bit, 18bit, 20bit, 24bitなどが一般的
▮ 8bitの場合256段階(28)に分解することができ、16bitの場合は65,536段階(216)に分解することができる
▮ 分解能が高いほどきめ細かい信号を再現することができるため微小なノイズなどの検出には高分解能が向いている
ACカップリング
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▮ AC結合または交流結合と呼ばれ、回路間(基板間)を交流で結合するための接続方式のこと
▮ 高速に信号を伝送することができるが、DC成分(直流成分)は除去される
▮ 一般的に、高速伝送(HDMI, DVI, GbE, 10GbE等)に利用されている
▮ 高速サンプリングの無線通信用A/DボードでACカップリングが利用されている場合が多い
DCカップリング
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▮ DC結合または直流結合と呼ばれ、回路間(基板間)を直流で結合するための接続方式のこと
▮ 直流成分と交流成分を含む全ての周波数成分を伝送する
▮ 低周波数での応答性に優れているため低周波数信号の計測に利用される
▮ 低速サンプリングのA/Dボードに利用されていることが多い
SFDR
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▮ Sprious Free Dynamic Rangeの略で、信号品質の性能(ダイナミックレンジ)をdBcとして表現する
▮ 対象信号の電力から2番目に大きい信号の電力までの相対的な強度の比率
▮ 高速サンプリング(特にGSPS以上)のA/Dボードに於ける最も重要なAC特性の指標
▮ SFDR(ダイナミックレンジ)が高いほど、ノイズの無いクリアな信号を取得することができる
インターリーブ
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▮ A/Dコンバータを複数個使用し、高いサンプリングレートを実現するためのサンプリング手法
▮ 例えば1GSPSのA/Dコンバータを2個使用し、サンプルタイミングに時間差(0.5CLK)を持たせることで2GSPSを実現する
▮ 各チャンネル間のゲイン差やサンプルタイミングの誤差によるスプリアスが発生するため補正が必要
▮ Teledyne SP Devices社のA/Dボードはこの技術を採用して独自の補正技術で10GSPSを実現している
マルチプレクサ
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▮ A/Dコンバータ1個で多チャンネルのA/D変換を実現する方式
▮ 入力チャンネルを切り替えて順次A/D変換を行うため、各チャンネルのサンプリングにずれが生じる
▮ A/Dコンバータ1個のため、安価に多チャンネルを実現することができる
▮ 低速でローコストのA/Dボードで利用されている
ΔΣ(デルタシグマ)方式
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▮ A/D変換の方式の一つで、最も高分解能が得られる方式
▮ 微分(Δ)と積分(Σ)を利用して変換処理を行うため低速のサンプリングが一般的
▮ オーディオ機器や計測機器などに多く利用されている
▮ General Standards社のA/DボードはΔΣ方式を採用しているものもある
エイリアシング
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▮ サンプリング(標本化)によって元の信号と偽信号が重なって生じる歪みのこと
▮ 折り返し雑音と呼ばれ、ナイキストの定理でfs/2より上の信号が折り返って現れる
▮ 通常はアンチエイリアス(ローパス)フィルターでfs/2より上の周波数を入力段でフィルターする
▮ アンダーサンプリング技術はこのエイリアシングを利用してfs/2より高い周波数の信号を取得する手法
ナイキストの定理
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▮ 標本化定理またはサンプリング定理とも呼ばれ、A/D変換をする際にどの程度の周波数でサンプリングすれば良いかを示したもの
▮ 1927年にスウェーデンの物理学者ハリー・ナイキスト氏が示したことからナイキストの定理と呼ばれる
▮ アナログ信号の最大周波数の2倍を超える周波数でサンプリングすることで、完全に元の信号を再現できる
▮ 例えば、取得したい対象信号が0~10MHzの帯域に存在する場合、20MHzを超える周波数でサンプリングすることで元の信号を再現できる
BNC
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▮ 最も一般的で広範囲に使用されている同軸コネクタ
▮ レセプタクルのガイドに位置を合わせて挿入しリング部を回転させることでロックされる
▮ オシロスコープやファンクションジェネレータなどの測定器はほとんどがこのタイプ
▮ BNCはBayonet Neill-Concelmanを略したものでバヨネット機構を利用し着脱が容易
SMA
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▮ 無線通信機器に使用されている高周波同軸コネクタで、ネジ締めロック方式
▮ SMAはSub Miniature Type Aを略したもの
▮ 無線LANの外部アンテナ接続用として一般的に利用されている
▮ コネクタの締め付けに専用のトルクレンチを使用する
▮ 通常、ボード側のコネクタはSMA Femaleでケーブル側はSMA Maleを使用
SMB
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▮ Sub Miniature Type Bの略で、プッシュオンタイプの同軸コネクタ
▮ 小型のため高周波信号の高密度実装に適している
▮ プッシュプル方式の着脱で操作性に優れている
▮ 無線LANやGPS機器などの無線通信機器に利用される
SSMB
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▮ SMBの超小型版で、プッシュオンタイプの同軸コネクタ
▮ SMBよりも更に小型のため高密度の実装に適している
▮ スナップオン方式のため着脱が容易
▮ 高密度の無線通信機器に利用される
SSMC
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▮ SMC (Sub Miniature Type C)の小型版同軸コネクタで、ネジ締めロックタイプ
▮ 小型のため、限られたスペースに多くのコネクタを実装するのに向いている
MMCX
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▮ Micro Miniature CoaXialの略で、超小型同軸コネクタ
▮ 限られたスペースへの実装に向いている
▮ GPSやワンセグの受信機のアンテナ接続用として利用されている
LEMO
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▮ スイスのLEMO社が開発したプッシュプルタイプの同軸コネクタ
▮ 医学、工業、音響・映像、通信、軍事、科学研究、測定などの分野で広く利用されている
▮ LEMO 00は、原子核・素粒子物理学の装置におけるNIM規格やCAMAC規格のようなモジュール式エレクトロニクスの標準規格で前面パネルの端子として古くから使用
SMPM
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▮ Sub Miniature Push-on Miniの略で、通信機器や基板間接続に使われているMIL規格の同軸コネクタ
▮ 周波数上限は製品により異なるが~65GHzまでを想定しており、ミリ波の通信に適している
▮ プッシュオンロック機構で接続が容易